言語聴覚士とは、スピーチセラピスト(ST)とも呼ばれています。理学療法士(PT)や作業療法士(OT)と並ぶコメディカルスタッフという位置づけです。
中でもSTは、ことばやコミュニケーション、食べることに関する専門的なサービスを提供し、誰もが自分らしい生活を構築できるよう支援する専門職です。
子どもの言語聴覚士(ST)とは、主にことばが出ない、やりとりが成立しにくい、聞こえの心配や不明瞭な発音、吃音、食べることの問題、読み書き困難などを支援しています。
STがどこにいるのかというと、通常は各自治体の療育センターや保健所、病院、児童発達支援事業所や放課後等デイサービスなどです。ただ言語聴覚士の数は全国で4万人(PTは19万人、OTは10万人)と少なく、さらに小児領域で活躍するSTの数は、4,500人程度ととても少ないのが現状です。つまり出会えること自体、稀な存在です。
そういった理由からも、ことばの遅れでSTがいる事業所の療育につながっても、まだ年齢が低いからと、「言語」は先延ばしにされてしまうケースが多くあります。さらに言語課題というと、椅子に座って絵カードを使って学習するというイメージが強く、まず「座れる」こと、ある程度の指示に応じられることが求められます。実際、感覚機能や身体発達を育てることで「ことば」は伸びてくるため、それらの土台が育ってから、やっと「言語」という流れになってしまいがちです。
ただ、私の実感としては早期からSTが関わることでグッと全体的な発達が促され、多くのお子さまがことばを獲得し、豊かなコミュニケーションを持つ様子をみてきました。子どもSTとなかなか出会えないからこそ、オンラインSTと一緒に「おうち療育」をはじめましょう!